ソファができるまで
1.製作図
デザインを基に制作図をかきます。
そのデザインが意図しているもの、使われるシーン、強度、座り心地、あらゆる角度から検討して、仕様を決めていきます。
仕上がりを想像するため、コンピューターではなく、手書きで原寸図を描きます。
2.木枠
木と合板を組み合わせて作ります。長期間の使用に耐える様に丈夫に作ります。
バネを乗せる部分、力のかかる部分には堅い木を使います。
組み上げるだけでなく、ミゾを掘ったり、削ったり、角を取ったり、この段階での細かい作業が仕上がりの美しさを左右します。
3.下張り
木枠にバネを張っていきます。
バネ、ポケットコイル、ウェービングテープの使い分けはソファの座り心地に大きく影響します。
バネを張った上にウレタンを乗せていきます。
丸い、四角い等、ソファの外形、また、やわらかい、かたい等、ソファの特徴はここで決まります。
4.裁断(布・革)
型はCADを使って型入れをし、裁断します。
布の種類によって、微妙に違う小さな裁断型、大きな裁断型を使い分けて裁っていきます。
裁つ時は、型だけにとらわれず、布目のズレを見ながら、裁っていきます。
国産の牛の革を使用しています。
革の裁断は傷をよけながら型をいれていきます。
傷をみるのも、職人ならではの作業です。
革は厚いので、ハサミを入れるのにはとても力が要ります。
5.縫製
布や革を立体的に縫い合わせ、ソファのカタチにしていきます。ひと目ひと目が張り上がりの時に影響してきます。
まっすぐに見えるソファでも三次元の形にすると直線はほとんどありません。縫う前に、布の種類によって糸の締まり加減を変えるためミシンを細かく調整します。
当たり前のことですが、縫製ではミシンを使います。
その作業中に布・革が機械にふれてしまうことがありますが、傷や汚れがつかないよう気をつかって作業をしなくてはなりません。革を縫う時は、革が厚い分、縫い重なりがさらに厚くなります。
縫いながら、小さな切込みを入れるなど、張り上がりが美しくなるような工夫が随所に施してあります。
6.上張り
仕上げの作業です。
布でカバーリングのソファの場合、ヌード、と呼ばれる縫製された白いカバーを最初に張ります。手で撫でながら、ソファの外形にカバーをかけていきます。張り上げる時にも、切込みをいれたり、微調整していきます。革の上張りはさらに時間がかかります。革にはやわらかい部分や、かたい部分があるので、同じ形でも少しの引っ張りの加減で形が違ってきます。作業中の道具も増えるので、使い分けも難しくなります。例えば、金ヅチは縫い重なった部分を叩いてのばす時に使います。針は表情の決め手でもある角を立てるときに使います。
7.梱包・出荷
汚れないように、ビニール袋で包みます。
木部のついているものは配送中に傷がつかないよう、梱包方法を工夫をしています。
大きいものになると、3M近くあります。
おおっ。毎日驚きます。